あの日、あの夏にある人とであった
最初はめにもつかなかったのに、だんだ
ん好きになっていった

「いい歌だな。歌手目指してんの?頑張れよ。応援するぜ」

彼の声が頭の中から消えない


「・・・・で、作曲がKENGOさんがしてくれることになったから」

「え!ケ、ケンゴさんが!?本当に!?」

「嘘を付いてどうするんだよ」

KENGOさんは【ウラヌス】という
三人グループで活動しているミュージシャ
ンのうちの一人。作詞.作曲をKENGO
さんがしている。ボーカルがアキトさん、
ベースがTaKuさん、ギターがKENGOさん。
今、十~二十代にもっとも支持されている
らしい
わたしもファンの一人だ

「どうやらKENGOさんは“玲花”ちゃんに興味を持っているみたいだね。本人から直接、作曲をしたいと言ってきたんだよ。“高校生新人歌手レイカ”いや~~いいねー。ハハハ、売れるぞ!!」

そうだ、この社長は大の金好き。
わたしの所属している事務所の社長
金田有造(かねだ ありぞう)。
名前に金がついてるからお金が好きなのか
な・・・そんなことないか

「あっ、これは僕の名刺。大事にしてくれよ!!」

「そういえばまだ貰ってなかったですね。ありがとうございます」

わたしはピカピカの黄金に輝く名刺を受け取った。目が痛くなりそうだ

「CDデビューは今年の11月の予定だからね。ドラマのオープニング曲になるんだけど・・・レコーディングにCDの売り出し、音楽番組に出演。いろいろ大変だけどがんばりな!!」

「ハイ!!」