愛するが故に・・・

「一之瀬…少し高山を借りても構わんか?」


「もちろんです。」


親父はそう言そういうと、俺をみた。

親父は無言で・・気に入られてこい…と言っていると感じた。




会長の後をついて、席に行くと座れと言われ、会長の後に腰を下ろした。

グラスを渡され、酒を飲む。

会長が俺に最近の事を訪ねてきたので、

それなりにやっていると無難な回答をした。


「お前もそろそろ身を固めてはどうだ?」


と言ってきた。

これにもまた、無難に回答をした。


「・・・まだまだ若輩者の自分が妻をもらうだなんて。」


俺の回答が気に入らなかったのか?会長の顔を一瞬こわばった。


「そうか?噂には女がいるそうじゃないか」


「・・・まだまだ、子供ですから。」


会長から俺の女…理香の事を言われた。

まだ、理香とはさほど長い付き合いではない。

それなのに俺ごときの女情報を会長が入手していることに驚いた。

そして、理香との結婚の事を言われたが、

俺としては理香しか俺の嫁は務まらないと思っているが、

理香は俺にとって初めて大切にしてやりてえと考えている女だ。

時間もかけてゆっくりと…