愛するが故に・・・

「降りるぞ」

また一言。

相変わらず、楽しい会話など見当たらない。

どこに連れてこられたのかも分からない状態で、おとなしく従う私ではない。

今はお客とキャストという立場ではないから…


『…ここはどこですか?いきなり連れまわされるのは迷惑です』


私が急にはっきりと言葉にしたのに和真さんは
少し驚いた顔をしたような気がした。


「ああ。ここで飲む…」


相変わらず、良く分からない人だ。

私が車から降りると、私の腰に手をまわし自分のほうへと抱き寄せた


そして何食わぬ顔をして進みだした。