愛するが故に・・・

「理香…ひとつ言っとくぞ。

 理香は何も悪くねえぞ。すべて本人がやったことだ。

 お前はきちんと付き合えねえ事を伝えた。

 有耶無耶にしたわけではねえだろう。

 理香にはそれ以上何もできなかったんだ。

 子供じゃあるまいし、すべては自己責任だ。」


父は私の心が読めるのだろうか…

父からの言葉が私の折れそうな心を支えてくれた。


『ありがとう。お父さん』


「俺は何もしちゃいねえ。やったのは高山だ。

 まあ、ぎりぎりだったがな。

 後一日遅かったら俺が乗り出していた。」


『えっ…それは。』


「理香が苦しんでんのに、そんなに長く時間なんてやらねえ。

 昨日までにケリ付けられなきゃ、それだけの男だってことだ。

 俺の大事な理香を任せることはできねえな」


父はちょっと悪そうな微笑みを浮かべながら私を見つめた。

本当に父は私の事になると…