愛するが故に・・・

『どういうこと?和真さんの力を計るって?』


「理香…すべてを分かっていて、

手出しができないのはこっちだって辛かったんだ。

 しかし、俺が手を出せば高山の立場もあるだろう。

 だから、一週間時間を与えた。

 高山の護衛の後ろにうちの護衛をつかせた。

 マンション内にもだ。

 黙っていて悪かったな。


 まあ、昨日の夜に高山がケリをつけたので、まあぎりぎりってとこだろう。」


『ケリって…本当に角田さんだったの?』


「ああ、昨日高山がすべてを終えたと立石から報告を受けた。

 あいつも相当切れていたようだな。

 …もう理香の前に角田は二度と現れない。

 安心しろ。」


『何を…したの?』


「昨夜、高山が角田に会社を辞めて田舎に帰るようにいったそうだ。

 俺からしたら、甘いと思うが、理香が絡んで、

血を流すことを避けたかったんだろう。

 まあ、理香を第一に考えての事なら俺もしょうがないと思うがな…」


そっか…あの手紙は角田さんだったんだ。

私がもっと角田さんにきちんと向き合っていたらこんなことに

ならなかったんじゃないだろうか…

角田さんの人生を私が変えてしまったんじゃないだろうか…