愛するが故に・・・

私がその場を離れた後にみんながこんな会話をしていたなんて知らなかった


『和真さん…お待たせしました、

 会社まで田中さんのお迎えありがとう』


「ああ。理香を一人ここに来させるわけにはいかねぇーしな。

 第一、お前一人でここに入れねぇーだろ」


和真さんのいうことは間違ってないけど、

ここに一人で入っていく勇気は今でもない。

周りからみられる事ではなく…

こんなに怖そうな人がいるところに一人で乗り込んでくる勇気はないのだ。

和真さんや田中さんが言うとおり、

私に何か悪さをする人はいないかもしれないけど、

入ったばっかりの人とか…私を知らない人もいるかもしれないじゃん。

そんな時、“和真さんの彼女です”なんて言えないもん。


怖くて…いろんな意味で。