愛するが故に・・・

数十分後…

カラン…

扉をあける音がした。


高級そうなスーツを身にまとい、

立石さんと入ってきた父はまるでどこかの社長さんのような姿で、

誰もこの人がやくざだとは思わないだろう。

きちんとした身なりで、立石さんも秘書のようだ。



「理香…久しぶりだな。少しやせたか?」



『そんなことないよ。あっそれよりお誕生日おめでとう。

 直接言えなくてごめんね』


「いやいい。これありがとな…・」


父が私に見せてくれたのは私が送ったキーケースだった。

そのキーケースには私の家の鍵が付いていた…


『使ってくれてて嬉しい。』

本当にうれしかった。たくさんのものをもらったであろう父が私の送ったものを

身につけていてくれるというのは嬉しいものだ…