その病室を見つけたのはつい最近。
ふらふらといつものように病院を散策していたところ、この病棟にたどり着いた。
そして一階の一番北の病室の隣に扉をみつけた。
立ち入り禁止とかかれた張り紙。
毎日を病院で過ごす僕にとってこの扉は僕の好奇心をかき立てるにはたやすかったようだった。
そっと扉に手をかける。
ドアノブの冷たさが背筋をゾッとさせた。
ドアノブを回し扉を押した。
あっ金木犀の香り…
そのとき…
「冬夜くん!ここにいたの?!ダメじゃない!検査の時間よ?あら、こんなところでなにしてたの?」
若い看護婦さんがぱたぱたと音をたててかけよってくる。
ここは静かにする場所じゃないのか?看護婦さんが一番さわいじゃだめだろう。
そんなことを思いながらつくった笑顔をむける。
「迷ってしまったんです。検査でしたか。ごめんなさい。すっかり忘れていました。すぐ戻ります。」
なぜか看護婦さんは顔をほんのり赤くして溶けるように微笑みかえしてきた。
「そうだったの?じゃあ、仕方ないわね!ホラホラ!私が車椅子おしてあげるから早く行きましょう!」
そう言って看護婦さんは僕の車椅子押しはじめる。
僕は扉を振り返った。
なぜだかあの扉が気になる。
あの金木犀の香り…
“もう一度ここに来よう”
密かにそう誓った。
ふらふらといつものように病院を散策していたところ、この病棟にたどり着いた。
そして一階の一番北の病室の隣に扉をみつけた。
立ち入り禁止とかかれた張り紙。
毎日を病院で過ごす僕にとってこの扉は僕の好奇心をかき立てるにはたやすかったようだった。
そっと扉に手をかける。
ドアノブの冷たさが背筋をゾッとさせた。
ドアノブを回し扉を押した。
あっ金木犀の香り…
そのとき…
「冬夜くん!ここにいたの?!ダメじゃない!検査の時間よ?あら、こんなところでなにしてたの?」
若い看護婦さんがぱたぱたと音をたててかけよってくる。
ここは静かにする場所じゃないのか?看護婦さんが一番さわいじゃだめだろう。
そんなことを思いながらつくった笑顔をむける。
「迷ってしまったんです。検査でしたか。ごめんなさい。すっかり忘れていました。すぐ戻ります。」
なぜか看護婦さんは顔をほんのり赤くして溶けるように微笑みかえしてきた。
「そうだったの?じゃあ、仕方ないわね!ホラホラ!私が車椅子おしてあげるから早く行きましょう!」
そう言って看護婦さんは僕の車椅子押しはじめる。
僕は扉を振り返った。
なぜだかあの扉が気になる。
あの金木犀の香り…
“もう一度ここに来よう”
密かにそう誓った。

