この中にいるから、特別輝いて見えるし少しのことで褒められもする。
それが居心地が良いし、時々生ぬるく思う。
赤髪は何かを思いついたように、指をパチンと鳴らして
「なぁ三限サボろうぜ」
「いいねー!ナナミ、お買い物行きたかったの」
あ、でも雨音ちゃんは……と二人は顔を見合わせた。
この学校は誰かが欠席しても親にわざわざ連絡したりしない。それが彼らが公立を選んだ理由かもしれない。
ほとんどの人は、とりあえず高校卒業という資格が欲しいだけだった。
「いいよ、行こうか」
たまには反抗するのも、悪くない。

