「潤くん、忙しい?」
「ん?」
「迎えに……来てくれる?」
「バイト先に?」
「うん」
「いいよ、迎えに行っても」
「ホント?」
「ん」
「ありがと////」
葵は嬉しそうに俺の胸に顔を埋めた。
ってか、毎日夜遅くに帰宅するから
俺は心配になって、頼まれなくても
迎えに行くつもりだったんだけど…。
葵は教員採用試験試験に向け、
家庭教師のアルバイトをしている。
先月はセンター試験直前で忙しかったし
今は志望校対策で忙しいらしい。
俺と同じく、将来がかかっている受験。
こればかりはピリピリしても仕方がない。
まだ暫くは忙しいだろうな。
教えている生徒は3人。
この家から差ほど遠くないらしい。
「潤くん」
「ん?」
顔を上げた彼女と視線が絡む。
すると、ゆっくり瞼を閉じた葵。
俺は誘われるままにキスを―――――。



