杏花は携帯で何かを調べ始めた。
……何を調べてんだ?
そんなにも真剣な顔して。
「杏花?」
「ん?」
杏花の視線は携帯へ向けられたまま。
俺へは空返事をしている。
何をそんなに真剣に見ているのだろうか?
俺は気になりつつも、運転に集中して。
杏花の好きな曲が流れる中、
俺は軽快に車を走らせていた。
暫くすると突然杏花が、
「5…4…3…2…1…明けましておめでとう、要!!」
「あっ……」
そうか、年越しのカウントを見てたのか。
「明けまして、おめでとう……杏花」
杏花は何やら俺の方をじっと見ている。
「ん?どうかしたか?」
運転しているからよそ見は出来ないが、
助手席に座る杏花は顔をこちらに向けている。



