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混雑する百貨店内を、マネージャーの山本さんから言われた場所へと向かう。
今日は美雨が一日総支配人をするという。
よくテレビで観るようなアレを自分の彼女がするのかと思うと、興味津々。
マネージャーにこっそり連絡を入れたら、タイムスケジュールが送られて来た。
俺は腕時計を確認しながら、地下1階の食品売り場へと。
「うわっ、………なんだこの人混みは」
普段からデパ地下の食料品売り場は混雑しているのは知ってるが、これは異常というもの。
エレベーター前に大行列だったから、階段で来てみたけど。
とても歩けるような状態じゃない。
通勤ラッシュ時の電車とほぼ同じというか、それ以上か。
大きな紙袋やエコバックを手にした人々がごった返している。
仕方なく、空いてそうな階を回ることにした。
どこを歩いても『みーな、みーな』と聞こえて来る。
沢山の人に愛されている彼女が、自分の恋人なんだと改めて実感。
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「山ちゃん、今何時?」
「17時40分です」
「ふぅ~あと少しで終わる~~」
一日中立ちっぱなしで既に足がパンパン。
辛い表情も出来ないから、本当にしんどい。
人数制限が行われているとはいえ、ライブ会場なのか…
初詣の混雑時と同じというか……
人人人人人……
360度に人がいるような、そんな感じで。
ここ数年で一番の来客数なんじゃないかと思う。
最後の予定の売り場へと向かおうとした、その時。
「えっ?!………来てたの?」
「……ん、大変そうだな」
階段の踊り場で愛しのダーリンに出くわした。



