ゆっくりとした時間が流れてゆく。
いつもは戦場と化した厨房で声を張り上げ働いているのが嘘のよう。
こんな風にのんびりするのも悪くないな。
他愛ない話をしながら、テイクアウトしたお弁当を頬張り、再びのんびりと過ごす。
普段、こんな風に日光浴をしたりしないからなのか、どうやって過ごしていいのか分からない。
おもむろに隣りにいる蘭に視線を向けると、彼女は風に靡く長い髪を手で押さえ、目を閉じている。
そんな姿でさえ綺麗で、俺は目を奪われていた。
透き通るような白い肌。
くるんと巻かれた長い睫毛。
スーッと通った鼻筋。
長い髪に見え隠れする愛らしい耳。
ほんのり色づいた頬。
そして、ぷっくり膨らんだ艶めいた唇。
あぁ、あの唇にキスしたい。
俺、今にも押し倒さないか………正直、自信がない。
見れば見るほど吸い込まれる。
ダメだ、目に毒過ぎて手に負えねぇ……。
「蘭、膝貸せ」
「へっ?」
俺は目をギュッと瞑り、蘭の膝に頭を預けた。
俺の突然の行動で硬直し気味の脚も徐々に緊張を解して、俺を受け入れるように……。
すると、



