Special Edition



4月第1土曜日。


春らしい清々しい天気で、絶好のデート日和♪

俺は朝からそわそわしていて、親父とお袋の視線が突き刺さる。


「周、ランちゃんと取りに行くのか?」

「ん~、当然だろ」

「浮かれる気持ちは分るが、事故だけは気を付けろよな?大事なお嬢さんを預かるんだから」

「おぅ!解ってるってっ!!」


パートさん達が出勤して来るまでの間、俺と両親で開店準備を施す。

リュウさんは、パートさん達から1時間遅れて現場に入る。

今日は俺が朝だけの勤務だと知っていて、敢えて時間をずらして入るらしい。


いつもより気合を入れて作業していると、


「おはようございまぁ~す!」

「来たっ!!」


パートの富田さんが出勤して来たのを確認して、


「親父っ、もういいよな?!」

「………あぁ、気を付けて行って来い。ランちゃんに宜しくな」

「おぅ!んじゃあ、お先に~♪」


いつもよりテンション高めで厨房を後にした。


自宅に駆け上がった俺は、猛ダッシュでシャワーを浴びる。

そして、久しぶりに気合いを入れて髪をアレンジ。


鏡に映る俺が予想以上にニヤけていた。