Special Edition



さすがに3ヶ月もの間、毎日のように一緒にいて、手を繋ぐ事も我慢って……。

幼稚園児だって、ほっぺにチューしてんぞ?

真面に考えたら、俺………不憫過ぎねぇか?


まぁ、ケンの言葉を借りると。

『今までのツケが回って来た』という事なんだろうけど。


はあぁぁ~、それでもやっぱり、キスくらいしたい。



蘭の頭を優しく撫でていて、妙案が浮かんだ。


「蘭っ!!」

「ッ?!」


突然の俺の呼び掛けに、身体をビクつかせる蘭。

そんな彼女の両肩を優しく掴んで、距離を取る。


「今週の土曜日、バイトは休め」

「へっ?」

「デートしよう!」

「…………デ、デート?!」

「あぁ、デート♪」



平日は勿論の事、土日だってバイトを入れている蘭。

俺も修業を兼て、仕事をしてるから気にならなかったけど。


たまには、2人きりで出掛けたい。

お互いの自宅を行き来するだけじゃなくて、別の場所に行きたい。


俺らは今まで、一度も『デート』をした事が無かった!!


俺の言葉に嬉しそうにはにかむ蘭。

そんな彼女の表情を汲み取って。


「じゃあ、決まりな?」

「………はいっ/////」