Special Edition



「ここ、一颯くんの部屋?」

「ん。あっ、もしかして、客間の方がいい?」

「あ、ううん、そんな事ない」


ダークブラウンで統一されたモダンな部屋だった。

イメージと違って、少し変な感じ。


キョロキョロと部屋を見回してると、


「母さんの趣味だから」

「え?」

「この部屋。俺が農大に編入した後に建てたんだよね。で、俺がいない間に勝手に決めたらしい」

「あぁ~なるほど~だからか。何か、一颯くんのイメージと違ったから」

「だよね」


部屋は12畳ほどで、勉強机の他に大きな本棚やキャビネットがあり、リビングセットとも思えるテーブルとソファもあり、大きなテレビが壁に掛かっている。

そして、窓際には大きなベッドが……。

これは………セミダブル?

いや、ダブルベッドかも。


すぐさまエアコンを入れた彼。

私の荷物をソファの横に置いて、振り返った。


「俺は兄貴の部屋で寝るから」

「えっ?」

「何、その反応」

「………」

「フッ、俺と一緒に寝れるの?」

「………」

「だよね」