髪を掻き乱し、ソファに座り込んだ一颯くん。
『あぁ~っ』と叫び始めた。
そんな彼の心境が分からなくもないが、私はどうしたらいいのだろう?
置手紙の事に関して話題に触れるのは危険すぎる。
私達は付き合い始めてまだ1週間。
お互いに知らない事だらけで、先の事なんて……。
私は何事も無かったように、彼が淹れてくれたローズヒップティーを戴く。
「ん~美味しい。カラダが温まる~♪」
彼が背後で溜息を吐いているのを感じながらも、敢えて触れない。
私は私でマイペースに振る舞うと決めた。
きっとその方が彼にとってもいい筈だから。
何とも言えないぎこちない時間をやり過ごし、耐え切れなくなったのか、彼が腰を上げた。
「寿々さん、お風呂に入る?」
「ん~、出て来る時に入って来たからいいよ」
「じゃあ、歯磨きして休もうか」
「………うん」
時計に視線を向けると、既に2時を過ぎていた。
歯磨きを終え、荷物を持って通された部屋は……。



