私はコートを脱いでラグの上に座ると……。
ん? 置き手紙??
リビングテーブルの上に1枚の紙が置かれていた。
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寿々さんへ
私達は市内の両親の家へ行く事になりました。
新年はそちらでのんびり過ごす予定です。
一颯の事を宜しくお願いします。
来年の年末年始は、是非、初孫を抱かせて下さいね。
楽しみに待っています♪
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………えっ?
これって、もしかして………。
手紙を手にしたまま硬直していると、
「寿々さん、ローズヒップティーでいい~?」
「…………え?あっ、うん」
一颯くんがカップを手にしてやって来た。
私はすかさず置手紙を後ろ手に隠すと……。
「何……それ?」
「え?…………何でもない」
「何でもないのに隠すの?」
「…………隠してないよ」
「隠してんじゃん」
「…………」
ギロッと鋭い視線に居た堪れなくなって、無意識に視線を泳がせる。
すると、ピョンとソファに飛び乗った彼は、物凄い速さで私の背後に回り、私の手元から置手紙を取り上げた。
そして、それを見た彼は――――………



