「有難うございます。開けてもいいですか?」
「えぇ、どうぞ♪」
頂いたプレゼントの包装を解くと、淡い色合いのチェック柄のエプロンが。
お母さんもご自分の袋から取り出し、胸に当てながら“似合う?”とお父さんに尋ねている。
お母さんのエプロンが水色、私はピンク。
お兄さんの彼女である麻里香さんのエプロンは黄色だそうだ。
3人色違いのエプロンを着け、キッチンに立つのが夢なのだと語るお母さん。
本当に可愛らしいお母さんでビックリ。
その他にも沢山のプレゼントを頂いた。
4人家族で3人が男。
いつも仲間外れにされている気がしていたのだとか。
家族旅行に出掛けても、一緒に温泉に入る人もおらず。
今まで淋しかったとお母さんは話していた。
お兄さんの恋人である麻里香さんは、お兄さんと同じで検事だそうだ。
仕事も忙しく、あまり遊びにも来れないのだとか。
こんな風に接して貰えるなんて思ってもみなくて……。
嬉し過ぎて、思わず目に涙が浮かぶ。
それに気づいた一颯くんが、
「寿々さん、どうしたの?気持ち悪い?」
「………ううん、違うの」
「ん?」
「うっ……れしくてっ、………嬉しくて、つい涙がっ……」
両手で顔を覆うと、
「キャアー!寿々ちゃんっ、何て可愛い子なの~♪」
「ッ?!」
お母さんに抱き締められてしまった。



