暫く甘い雰囲気を満喫した俺らは、『さすがに、お腹空いたね?』と笑い転げた。
そして、2人並んでキッチンで遅めの朝食を作る。
俺が玉葱をみじん切りにして、寿々さんがリンゴの皮を剥く。
時折、見つめ合ってはキスをして、おでことおでこを寄せ合って……。
いつもより時間をかけて作ったオムライスは、格別の美味しさだった。
午後はまったりとDVD鑑賞。
寿々さんがソファに座り、俺はそんな彼女に膝枕をして貰って。
片方の手はお互いの手を握り、もう片方の彼女の手は俺の髪を撫で、俺のもう片方の手は彼女の膝に乗せて。
再び甘い空気が漂う中、俺はさり気なく口を開いた。
「寿々さん、除夜の鐘をつきに行こうか」
「へっ?」
俺は彼女の膝の上から上体を起こして、ゆっくりともう一度言葉にする。
「今夜、除夜の鐘をつきに行こう?」
「………うん!!」
寿々さんは目を輝かせて何度も頷いた。



