Special Edition



「寿々さんって、表情が豊かだよね」

「へ?」

「色っぽい表情をしたかと思えば、可愛い表情を覗かせたり、今みたいに俺をキッと睨みを利かせて反抗してみたり……。まぁ、どれも好きだけど」

「そ、それって普通じゃない?好きな人の前だと緊張するもん。可愛く見て貰いたいし、少なからず色気も感じて貰いたいし。それって……」

「………ん?それって、………何?」

「………それって、全部、一颯くんがそうさせてるんじゃないっ」

「ッ……!!」


自分で言っておいて恥ずかしいのか、ギュッと抱きしめ返して来た。


もう~~ッ!!

本当に困った人だよ。

そんな嬉しい事を言ってくれるなんて……。

どうしたものか………。


暫く彼女を抱き締めたまま、優しく髪を撫でてると……。


「喉、乾いた」

「あっ………ごめん、すっかり冷めてる」

「いいよ、美味しいから」


俺の腕からスルッと抜けて、彼女は俺が淹れたハーブティーを口にした。


「今日のお茶はピンク色で可愛いね」

「………寿々さんの方が可愛いよ」

「ッ?!/////」


ポッと赤らめた彼女の頬にチュッとキスを。

キッと睨みを利かせ、顔を向けた彼女の唇にチュッとキスを。

ん~~ッ!!と身悶えする彼女のおでこにチュッとキスを。