「一颯くんが…………いなくて………寝れなかったの」
「へっ?」
今、彼女は物凄い事を言った気がする。
俺がいなくて寝れなかった?
えぇ~~~~ッ?!!
思わず、彼女の肩を鷲掴みし、腕を目一杯伸ばした。
そして、自然と絡まる視線。
彼女の瞳は揺れていた。
そして、恥かしさを隠すように再び俺の胸に顔を預ける。
彼女が淋しさのあまりお酒を飲んだ事と、俺の存在を確かめたくて俺のベッドに寝ていた事が嬉しくて……。
俺は力一杯彼女を抱き締めた。
普段は甘えたりしない彼女。
きっと、お酒が入っていて、無意識に俺に電話を掛けたに違いない。
そんな些細な事でも俺の心を鷲掴みにする彼女。
俺は今、言葉に表せないくらい倖せだ。
俺の腕の中でモゾモゾし始めたかと思ったら、背中に腕を回して必死に抱き締めてくれている。
あぁ~~本当に困った人だ。
そんな事されたら、男は誰だって猛獣になるのに。
必死に平常心を装い、猛獣に羊の仮面を被せると……。



