「ッ?!」
彼女がいた。
それも、俺のベッドで気持ち良さそうに寝ている。
そんな彼女を見て、全身から力が抜けて行くのが分かった。
ゆっくりとベッドへと近づき、彼女の寝顔を覗こうとベッドサイドに腰掛けると。
「ん?」
彼女から強いアルコールの匂いがした。
もしかして、お酒を飲んだの?
彼女はあの一件以来、お酒を飲まなくなった。
飲むと、辛い過去を思い出しそうで怖いと……。
なのに………何故?
俺はそっと彼女の乱れた髪を手で直し、優しく彼女の頬に触れると。
「……っ………んっ?………あれ?………一颯くん?」
ゆっくりと瞼を開ける彼女と視線が絡まった。
「おはよ」
「………ん、おはよ。………どうして……いるの?」
「寿々さんに呼ばれたから」
「へ?」
寝ぼけまなこでゆっくりと上体を起こした彼女。
やはり、お酒の匂いがプンプンする。
「寿々さん、お酒飲んだの?」
「え?…………あっ、うん」
「何かあった?」
「…………」
俺の質問に視線を泳がせる事で彼女は応えた。
そんな彼女を抱き寄せ、優しく背中を擦る。
「何があったの?……それとも、言いたくない?」
「…………何もないよ」
「嘘」
「ホントだよ。…………ただ………」
「……ただ?」
彼女は俺の胸に顔を埋め、くぐもった声で呟いた。



