Special Edition



父親に駅まで送って貰い、俺はとんぼ返りのように自宅へと向かっていた。



大晦日の電車内。

どことなく浮き足たっている感じがした。



最寄駅に到着した俺は、久しぶりに全力疾走。

前にも同じような事があったな、と思いながら。


少し上り坂の道が行く手を拒んでいるようで胸騒ぎが増す。

そして、またしてもエレベーターに阻まれた。



「ったく、こういう時って何で直ぐに降りて来ないんだよッ!」


エレベーター横の階段を駆け上がりながら、怒鳴り気味の声が響き渡る。



そして、漸く自宅の玄関前に到着した。


「あれ?鍵どこだったっけ?」


こんな時に限って鍵が見当たらない。

ポケットに手を入れるものの見当たらず、すぐさま鞄の中を漁って漸く鍵を手にした。


そして、逸る気持ちをグッと堪え、玄関のドアを開けた。


「寿々さん!!寿々さーん!!」


返事は無い。

俺は慌てて彼女の部屋のスライドドアを勢いよく開けた。


「へ?」


けれど、そこには彼女の姿は無い。

どこにいるの?

もしかして、実家に帰ったとか?


俺は浴室を覗き込む。

けれど、そこにもいない。

リビングから顔をひょっこり出して、彼女お気に入りのガーデンファニチャーも確認した。

……けれど、どこにも彼女はいなかった。


一体、どこに行ったんだよ。


自然と溜息が漏れ出した。

そして、荷物を置きに自室のドアを開けると、