「母さんと父さんは?」
「そのうち帰って来るだろ。挨拶回りして来るって言ってたから」
「そう」
俺は手にしていた荷物を床に置き、ソファに腰掛けると。
「一颯、それ何?………土産か?」
「ん?………あぁ、これ?」
兄貴は床に置いた荷物を見て、目の色を変えた。
「もしかして、腹減ってんの?」
「ビンゴ!!」
「ったく、しょうがねぇなぁ」
俺は腰を下ろしたそばから腰を上げた。
「言っとくけど、これ、味わって食えよな?」
「もしかして………お節作って来たのか?」
「いや、お節じゃないけど、手の凝った料理だから……」
「へぇ~、何だか分からんが早く食わせろ」
俺はキッチンで皿に取り分けた。
そして、兄貴のもとに運ぶと……。
――――カチャッ
「ただいま。あら、一颯帰ってたの?」
「今さっき」
「え、何それ。一颯が作って来たの?」
「おっ、旨そうだな」
「………」
リビングからの匂いを嗅ぎつけたのか、両親がリビングへ姿を現した。
兄貴同様、目の色変えて料理に見入っている。
「ちょっと待ってて、今皿を持って来るから」



