Special Edition



自宅マンションから約2時間、漸く実家に辿り着いた。

玄関に入ってすぐに溜息が漏れる。

………汚い。

高級住宅街の中の1軒屋だが、一歩中に入ると………ゴミ屋敷。


玄関の上がり口には、両親と兄貴がお歳暮で貰って来たと思われる品々が無造作に置かれている。

いや、山積みされている。

毎年思うが、これ、何とかならないだろうか?


俺は溜息を零しながら、リビングへと向かった。


「ただいま~」

「おっ!!一颯、いい所に来た!!これ手伝え!」

「ヤダよ、断る!」

「何だよ、いいじゃねぇか~」


リビングで年賀状の宛名書きをしている兄貴。

今日、30日だよな?

そんなものは、もっと早いうちにしておくべきだろ。


「パソコン使えばいいじゃん」

「プリンター機の調子が悪いんだよ」

「へぇ~。じゃあ、麻里香さんに手伝って貰ったら?」


麻里香さんというのは、兄貴の彼女。

5年も付き合ってるから、そろそろ結婚しても良さそうなもんだけど。


「それがさぁ、去年といい、今年といい、新年早々母さんが麻里香にアレコレやらしたから、来たくないって」

「え?」

「だから、仲のいい友達とスノボー旅行に出掛けたよ」

「マジで?」

「あぁ。元々麻里香も家事嫌いだしな」

「………そうかもしれないけど」


麻里香さんも検事で、仕事一筋のキャリアウーマン。

家庭に入るつもりは無いらしく、だから結婚の話も中々纏まらないと兄貴が前にぼやいていた。