Special Edition



ホント、俺ってヘタレだ。

これって、コンプレックスだと思うけど、3歳という歳の差が今一歩踏み出せない1番の理由。


彼女を無理強いさせたくないし、あの家に連れ帰れば、彼女が困惑するのは目に見えてる。

だから、自分に体裁のいい理由をつけて諦めようとしてしまうんだ。



彼女を受け止める自信はついたものの、彼女をリードする自信はまだない。

どうやったら彼女との距離を縮められるんだろうか?


恋愛経験が無さ過ぎて、どうしていいのか分からない。




結局俺は彼女の言葉を鵜呑みにして、了承してしまうんだ。

ホント、情けない。



「じゃあ、行って来るね」

「……………うん」

「今、間があったよ?」

「え?」


俺の言葉に視線を泳がせる彼女。

こんな彼女を放って実家に行こうとしている俺は鬼畜かもしれないな。



だから、せめて……と思い、彼女をそっと抱きしめた。


「淋しくなったら電話ちょーだい」

「…………ん」

「それと、誰が来ても、玄関を開けちゃダメだからね?」

「……ん」

「それと……」

「まだあるの?」


彼女を抱き締める腕を解いて、彼女の瞳をじっと見つめる。

そんな俺に応えるように、彼女はゆっくりと瞼を閉じた。


そして、『行って来る』の最後の挨拶。

俺は彼女の唇にそっと唇を重ねた。