俺は国際研究チームの一員として、ついこの前まで南米にいた。
今回の目的はアマゾン川流域の樹木の保全と密林の生態調査。
そして、とある地域の有機農法の研究。
その他にも多々あったが、俺が志願して担当させて貰ったのは『有機農法の研究』だった。
寿々さんが目指している『オーガニック・カフェ』
それには、現地の状況を詳しく見ておく必要があると判断した訳だ。
それに、南米と言えば『珈琲豆』の産出国でも有名である。
だから、少なからず将来の役に立つと思い、俺は必死だった。
数国を渡り、4ヶ月目にして念願のコロンビアに到着した。
そして、桃やアプリコットなどを扱う農園を数園訪問し、漸く辿り着いたコーヒー農園。
俺はその景色を眺め、胸に熱いものが込み上げていた。
見渡すかぎり一面の珈琲の樹。
どこまでも果てしなく見える木々には、見事なまでに真っ赤に色づいた珈琲の実がたわわに実っていた。
まさに収穫の時期。
そんな時期に来る事が出来た俺は感動し、手にしていたカメラで次々とシャッターを切った。
寿々さんに………見せてあげたかったな。



