でも、こんな風に食事も摂らずにボーっとしている彼女を見ると、心配で堪らない。
それならいっそのこと、連れ帰った方が安心出来るというものだ。
それに、彼女が困るような事があれば、俺が全力で助けるし。
「ねぇ、行こうよ」
「………それは、無理だよ」
「何で?」
「何でって………」
寿々さんは眉根を寄せ、伏し目がちに溜息を吐いた。
「私達、付き合ってまだ1週間だし。それに、私は……」
彼女が言いたい事は解っている。
『年上』と『婚約した経歴』、そして、『無職』という見えない錘付の足枷がある事。
どれも、彼女が悪い訳でないのに、未だに魔の呪縛から逃れられないでいる。
俺が今、『気にするな』『大丈夫だから』『平気だよ』なんて軽い口を叩けば、彼女はますます自分を咎めてしまいそうだ。
こういう時、俺には何も成す術がない。
彼女が自分で顔を上げて進まない事には。
だけど―――――、やっぱり不安で堪らない。
いっそ、俺の子供でも宿して貰おうか……、そんな邪な考えが脳裏にチラつく。
出来るわけ無いのに………。



