Special Edition



家にまで仕事を持ち込む両親だから、必然的に家事は疎かで……。

食事なんて出来合いのものか、出前か、じゃなければ外食で済ませばいいと思っている。

幼い頃は家政婦がいたけど、子供が大きくなってからは『自分の事は自分でしろ』が家訓と言っても過言じゃない。

だから俺は、身の回りの事は何でもそつなくこなせる。


それに、母親が食事を作る姿を見た事が無い。

いや、食器さえ洗っている姿を見た事が無い。

だから、当然のように『お弁当』なんてモノを作って貰った記憶なんて俺には無い。


このマンションにだって『母親』をしに来るのではなく、仕事の出張で来た際の宿代わりだ。

でも、そんな彼らでも一応『親』だから、俺もそれなりに応えている。



きっと、彼女を連れ帰ったら『家事をしてくれる嫁が来た』と大喜びしそうだ。


現に、兄貴の彼女が以前来た時なんて、1週間分くらいのおかずの作り置きを作らされてたもんな。

さすがにあれには驚いたけど……。


だから、寿々さんを連れ帰る事に抵抗はない。

ただ、彼女の方が気苦労しそうで何だか申し訳ないくらいだ。