5分が経過しても、ニンマリと微笑む彼女は変わらない。
しかも、クリスマスから5日も過ぎてるのに、相変わらず熱い視線を送り続けている。
そろそろ、俺も限界なんだけど……。
すっかり冷めたハーブティーを手にして、俺は彼女と奴の間にカップを割り込ませた。
「要らないなら、もう淹れてやらないよ?」
本当はそんなつもり全く無い。
俺が勝手に彼女に淹れてあげたいだけ。
下手したら、バリスタのライセンスを持っている彼女の方が美味しく淹れられるんじゃないだろうか?
彼女はそんな事、1度だって言わないけど。
「あっ、ごめん!今飲むねぇ~」
彼女は奴を大事そうに膝の上に置き、俺の手からカップを受取った。
そして、幸せそうな笑みを浮かべて飲んでくれる。
俺の想いがこもったハーブティーを。
俺はその表情を眺めて、安堵するんだ。
今日も彼女は俺の想いを受取ってくれたって。
敢えて言葉にしない………俺ら2人だけの愛の囁き。
だけど、それでも尚、彼女の気持ちを確かめたくなる。
いや、コイツのお陰でそう思わされているのかもしれない。
だから―――――。