杏花は不安なのか、
俺のパジャマの背中部分をギュッと掴んだ。
そんな風にされると勘違いしてしまいそうだ。
俺だけを見てくれていると……。
俺も不安な気持ちが隠し切れず、
杏花の身体をこれ以上無いほどにきつく抱きしめる。
すると、
「か……なめ」
「…………ん?」
「キ……ス………してくれないの?」
「………酒臭いから」
「私……気にしないよ?」
「………」
杏花は授乳がある為、ノンアルコールしか口にしていない。
俺は酒を飲んだとはいえ、飲まれるほど飲んだ訳では無い。
ただ、今この状況下で彼女にキスをしてしまえば
きっとそれだけでは済まないだろう。
俺にとっては願ったり叶ったりだが、
先程の会話が脳裏を過る。
ドス黒い嫉妬まみれの感情が彼女に向けられるのは必至だ。
そんな風にして彼女を抱きたくない。
男にとって、自分だけを想って欲しいし
俺の全てで満たされて欲しいと願う。
だからこそ、今は抱けない。
俺は彼女の言葉を無視して寝る体勢を取ろうとすると、



