「んッ?!////ちょっ////かっ、要ぇッ?!////」
杏花の頬にチュッと触れるだけのキスを見舞う。
皆が見ている中で俺の突然のアクションに驚く杏花。
本当は聡にも見せたくないほど、杏花は頬を赤く染めた。
俺の唇が触れた部分を隠すように手を当て、
真横の俺をキッと睨み返す彼女。
そんな事も計算の内で、俺はそんな彼女の肩を抱き寄せる。
「なっ、いいだろう~♪」
これでもかと言うくらい顔を寄せ合い、聡に見せつけた。
聡は俺の行動に対し苦笑いを浮かべ、
本田はちょっと恥ずかしそうに驚いている。
そして、村岡に視線を向ければ……微笑ましく見守っていた。
今日、自宅に沢田と本田を呼んだのは理由がある。
いつまでもお互いに見守るのもいいが、
そろそろ『結婚』を見据えて、動き出して貰いたくて。
俺らの子供を抱くより、実の息子の子供を抱かせてやりたい。
…………母親同然の村岡に。
本田は聡の4つ上、来年35歳になる。
そろそろその時期なんじゃないかと、
お節介にもそう思えてならなかった。



