リビングに勢揃いしたメンバー。
斗賀を抱く俺の隣りに杏花が座り、
杏花と反対側の隣りに村岡が腰を下ろした。
そして、俺らの相向かいには………。
「杏花さん、これを……」
「あっ、はい。ありがとうございます」
杏花は大きな花束を受け取った。
そして、
「これは、後で2人で飲んで下さいね」
「あっ………はい。ありがとうございます」
杏花はワインボトルも受け取った。
けれど、完全に放心状態だ。
真横で見ている俺は、笑いを堪えるので必死。
そんな俺にテーブルの下で杏花の手が伸びて来た。
恐らく、客人に気を遣ってのヘルプサイン。
俺はワザとらしく咳払いして……。
「杏花」
「ん?」
「初対面じゃないんだから、緊張し過ぎだろ」
「だっ、だって……」
杏花は瞬きも忘れて、真正面に座る2人に釘付け。
そんな杏花を可哀想に思ったのか……。
「杏花さん」
「は、はい」
「俺の彼女の早苗です」
「ッ?!」
「今まで話せなくてごめんなさいね」



