―――――カランカランッ
俺の背後に隠れるように気配を消す杏花。
そんな彼女の手を引き、店内へ。
入口から数歩入った所で足を止め、
俺はゆっくりと彼女の方へ振り返った。
「杏花」
「……ん?」
足下に点在するキャンドルの灯り。
じっと固まる杏花の背後に回り込み
ゆっくりと彼女の背中を押し出した。
「ちょっ…「いいから、いいから」
不安を隠せない杏花を
誰も居ない店内へと2~3歩押し出し、
俺はそっと彼女の背中から手を離した。
キャンドルの淡い灯りに照らされた杏花。
キョロキョロと辺りを見回した、その時!!
♪ ~ ♪ ~ ♪ ~ ♪ ~
「Happy Birthday to you ♪ Happy Birthday to you ♪ …」
店内奥からバースデーケーキを抱えた会長と
大きな花束を抱えた会長夫人が姿を現した。



