ベッドの上で向かい合い座る俺ら。
暫く、モジモジと恥じらう杏花。
中々、言う勇気が出ないらしい。
――――仕方ないなぁ。
これ以上はまだ無理か。
世の中には女からアプローチする奴もいるが、
俺は杏花にそれを望んでいない。
むしろ、そうなって欲しくない。
いつまでも恥じらいを捨てず、
初々しいまま可愛らしい杏花でいて貰いたい。
なんて、欲張りにもそう思ってしまう俺。
俺はパニック状態の杏花を抱きしめ、
首筋にキスを落とした。
『首』が弱い杏花は、
一瞬で緊張が解けたようだ。
ゆっくりと重なる唇は、
俺を『愛して止まない』と言っているようで
どこまでも俺を追い求めて来る。
ついつい理性を手放しかけていると、
「かっ……な……めっ…」
ふと、唇の隙間から声が漏れて来た。
ゆっくりと身体を離すと、
トロンとした表情の杏花は、
俺の首筋に顔を埋め………。



