「おかしい?」
「ん?……いや、愛がこもってる」
「ッ?!////もう////」
俺の腕に顔を埋めた杏花。
いつの間にこんな物を注文したんだろうか。
「杏花」
「ん?」
「これ、いつ注文したんだ?」
「えっ、あっ……これ?」
「あぁ」
杏花の顔を覗き込むと、
「イタリア旅行の時」
「旅行の時?そんな時間あったか?」
「ローマに滞在中に、ちょっとしたトラブルがあったとかで、沢田さんと電話で話してたでしょ?」
「……あぁ、あの時か。あの時は結構長話してたもんな」
「私、気晴らしにホテル内を探検してたら…」
「……してたら?」
「ホテルのスタッフと仲良くなって…」
「スタッフと?」
「うん。あっ、ほら!挙式前に担当してくれた人」
「あぁ~あの女性スタッフ?」
「うん。英語が堪能だったから…」
「で?」
「彼女のお父様が有名な革職人さんだって聞いて…」
「……で、頼んだのか?」
「……うん」



