『ダメ』じゃないなら『OK』って事だろ。
俺は杏花の返答を待たず、唇を塞いだ。
何度も啄み、執拗に絡め上げてから
軽く吸い上げ、唇を離すと……。
蕩けた表情の杏花が俺を見上げている。
理性を一瞬で奪い去る『女の顔』
俺は抱き上げようと、
彼女の身体の下へ手を滑り込ませると
「ちょっと……待って……」
浅い呼吸の合間に必死に言葉を紡ぐ杏花。
「ん?」
「あのね?」
ゆっくりと上体を起こしながら、
「今日はね?」
「……ん」
「ちょっと早いんだけど……」
「……ん?」
「要のお誕生日のお祝いを……ね?」
「……えっ?」
俺の誕生日?
誕生日は5月29日。
今日は5月3日。
ちょっとどころか、かなり早い気がするが。
俺が不思議そうにしていると、
「要、20日からLAに出張でしょ?」
「あっ…」



