俺は杏花をぎゅ~~~っと抱きしめ、
「嫌なワケないだろ」
気が狂いそうなほどヤバいって!!
マジでどうにかなりそうだ。
杏花からこんな風に
大胆な行動に出る事は、まず無い。
俺が頼み込んだって恥ずかしがるのに。
今日はマジでどうしたんだ?
何か特別な日だっただろうか?
抱きしめる腕を解くと、
俺の右手を掴んでソファへと促して…。
テーブルの上には沢山の料理が。
「要、座って?」
「あっ、あぁ」
ゆっくりソファに腰を下ろすと、
隣りに杏花がちょこんと座った。
「いつの間に……」
「フフッ…」
俺は次から次へと飛び出すサプライズに
驚きを隠せないでいると、杏花はしたり顏で
グラスにワインを注ぎ始めた。
「まずは乾杯しよ?」
「……あぁ」
か細い華奢な白い腕が目の前にスッと伸びて来る。
その差し出されたワイングラスを受取り、
「「 乾 杯 」」
お互いにワインを一口、口にした。



