『おいwwお前冗談よせよなww人魚見たことあるとかいまどき小学生でもいわねーぞww』
『黙れ。俺が見たって言ったんだから見たんだ。ほっといてくれ。』
ここは純愛華学園高等部。そして私は齋藤瑠璃子。この学校にはとある噂がある。この学園に在校している生徒の中の一人は必ず人魚姫を目撃したことのある男子がいて、その男子は将来必ずその人魚と再会し、たがに愛し合うことができるという・・・。たとえば今の高等部三年に目撃者(?)がいたとしたら、その目撃者が卒業して次の一年が入ってくるとき、その中に必ず次の目撃者の男子がいる・・というわけ。なかなかややこしい噂だ。そもそもなぜ人魚姫なのだろうか。ここは海辺の学校だからなのだろうか・・・?
・・・そういえばあの二人はいつもいつも人魚がいるとかいないとか、そんなことでもめている。くだらない。別に見たら見たらでそれでいいと思うんだけど。
『おい瑠璃子。お前はどう思うんだ?人魚がいるのかいないのか。』
『はぁ!?そんなこと知るわけないでしょ。なぜ私に聞く!?』
・・・。
『齋藤、そいつの質問なんかに答えなくていいからな。無視しろ。』
『わかってます・・・』
まったくこんなもめごとに巻き込まれてたまるかっ!ちなみに人魚姫を見たことあると言っている方が「加藤雅」。成績優秀、見た目もよし・・・なのだが、たまに意味不明なことを言ったりするので若干、「残念なイケメン」ってところかしら。雅のことをからかっているほうが「伊藤彰宏」。チャラくて頭の悪い、どうしよもないバカ。チャラい女子にモテる。この二人は毎日のようにもめている。名付けて「伊藤加藤戦争」・・・。だけど雅が人魚姫を目撃したというのがどうしても引っかかるのだ。それも二人が喧嘩を始めてから・・・。今日こそは雅に詳しく話を聞いてみようと思ったのだが今は彰宏がいるからまた帰りに聞いてみようかと思う。

放課後・・・

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