授業をサボって、
スタスタと廊下を歩いて逃げるあたしの後ろを
トボトボとたどってくる
もりたこうすけに、




"暑苦しい"




そう書いたメモを
足を止め、振り返って見せると、
もりたこうすけは
無表情で、顔を斜め下に向けた。




お、落ち込んでる…?




え、な、なんか…可哀想…




無表情は普段も同じだけど、
なんとなく悲しい雰囲気が
もりたこうすけを包んでいて、
見てるとこっちまで悲しくなってくるような、
同情してしまうような、
まるで捨てられた子犬とでも言うべきか。




…でも、




"ごめん。
友達にはなれない。
でも学校でしゃべったりするくらいならいいよ?"




ダメなんだ。




もう、あたしのせいで傷つく人間は見たくない。




目の前で、命が消えていくところなんて見たくない。




大事な人を、失いたくないんだ。




傷つけたくない。




この人と
"友達"になれば、
きっとまたあたしは…