日は経ち、
あたしが転校してきて
はや1ヶ月。
6月下旬。
すごく、暑い。
とても、暑い。
そして、
「なぁ、俺らの友達になれよ?な?」
しつこい。
1ヶ月前に、渡り廊下で出会った
あの真面目男子、もりたこうすけ(本当は森山恭介)が
その日からずっと、友達になれとうるさいのだ。
あっちはバレてないつもりだろうけど、
あたしはもう知っているんだぞ。
君も、この前一緒にいた
なんとか悠斗って人(堤悠斗のこと)も
ただの高校生なんかじゃないことを。
もりたこうすけ(本当は森山恭介)の言う
"友達"が、
"ただの"友達ではないということも。
どんどん気温の上がっていく今日この頃、
もりたこうすけ(本当は森山恭介)に追いかけられる日々のせいで、
暑さがさらに増す。
「俺お前気に入ったんだってば…
友達くらいいいだろ?」
シャキッとしてないし、なんかボーっとしてるし
目がしっかりパッチリと開いたところを見たことすらないのに、
なぜか諦めは悪いよう。
さっさと諦めて帰ろ~みたいな思考してそうなのにな。