『おい悠斗…』




「なに?誰だったんだよ?」




『真白。』




「なんだ、真白くんか。




……あぁー!!!」




今思い出したんだな。




「ご、ごめっ、忘れてた…っ!
港北の奴らが来てるって!
ま、真白くんに手伝えって言われてて!」




こいつの天然ボケ…どころか
あまりにもの馬鹿さに溜め息も出ずに、
ただただ頭を抱えた。




『あー今行く。
もうちょい耐えて、じゃ。』




バキッ、と
真白が敵を殴る音を最後に、
通話が切れた。




『行くぞ。』




しまった、みたいな表情の悠斗を引っ張って走り出す。








龍也、譲、伊月、悠斗、真白、
そして俺は
長難高校の生徒であり、トップ。
今はワケあって、変装して成陽に通っている。
真白は長難での居残りで、
何か問題があったとき、
どうしても自分たちで解決が無理そうなときは、
成陽にいる俺たちに連絡するということになっている。




連絡してきたということは、
たぶん、あまり有利な状況ではないだろう。