そう打った文字を見せて、その子は去っていった。




「恭ちゃん、断られたな。」




まじかよ。ショックー




断られるわけないと思ってたんだけど。




たぶん、あの子は
伊月や龍也、譲が言ってた女と
同一人物だ。




伊月の赤髪を見ても平然としてたらしい女。




それに、俺らが"不良"だなんて
知らねぇはずだから、
怖がられることはねぇし、断られるわけねぇと思ってた。




一般人だと思ってる奴に"仲間になろう"って言われても、
誰も不良チームの仲間だとは思わねぇだろう。
ただの"友達"と同じ意味に解釈をするだろう。
だから断られねぇと思ってたのに…




『あぁあー…』




「ったく、恭ちゃんは直感で動きすぎだ。
もう少し後先考えろよ。」




でもさ、でもさ、




『あの子、すげぇ前向きなんだぜ。』




メガネをクイッと上げながら呟く俺に、
悠斗は「はぁ?」と、
おさげを揺らして怪訝そうに見てきた。




『俺だったら、声出ねぇとかマジ無理。
自分の言いたいことも上手く言えねぇなんて、面倒。
会話するたびにわざわざ文字打ったり書いたり、面倒。』




「そりゃ。」




誰だってそうだろう。