「なぁキョウ!
俺、この前言っただろ?
定春を助けてくれたすげぇいい人がいたって!
その人な!成陽の転校生だったんだよ!
しゃべれねぇんだけど、
笑ったら超可愛いし、
定春も懐いてるからいい方に違いねぇよやっぱ!」
「もう伊月、はしゃぎすぎだ。
でも確かにあの子、いい子そうだよなぁ。
会って間もないけど、そういう雰囲気出てるもんな。」
「でも俺の髪見て平然としてたのは
こっちが驚いたぜ。」
「確かに、伊月の髪赤いもんな。
今まで怖くて逃げる人とか結構いたし、
そうでなくても普通に驚くもんな、いきなりそんなん見せられたら。」
「なぁ!知ってるか?
2年に転校してきた女!
しゃべれねぇんだってよ!
でもおもしれぇんだぜ~
俺さぁ、いじめられてたんだよ!
あまりにもしつこくてよぉ、
マジでブチ切れそうになったわけ!
そしたら突然!
その女が現れたんだよ。
ビックリするぞ?
何か走ってくると思えばそのまま俺にタカってた奴らに飛び蹴り!
ぎゃーっはははは!」
伊月と龍也と譲の話を思い出していると、
困った顔で、ずっと携帯をいじっていたその子が
その内容を俺らに見せてきた。
"泉 爽花
いずみ さやかです。
仲間に入れてくれるのは嬉しいけど、遠慮します。
秘密はちゃんと守ります。"
