届け!





彼らは、一琉を除いて
滅茶苦茶だし
うるさいし
ずる賢いし
生意気だし




だけど。








…その夜、




そろそろ寝ようかと
布団に手をかけ、
ベッドに膝を乗せたときだった。




ドンドン!という
雑すぎるノック音が響いて
部屋の扉が勢い良く開いた。




バタンッ!と大きな音を立てて開いた扉から姿を現したのは
ガリ股で歩み寄ってくるヤクザの姿。




もう一度、バタンッ!と音を立てて
後ろ手に扉を閉めた厳ついオッサンは
「おうサヤカ!元気かコノヤロ!」と
近所迷惑さながらの大声を張り上げて
あたしの目の前に立ちはだかった。




黙って見上げていれば、
猛は少し、目を泳がせて
大げさにベッドへ座った。




そして、ちょっとした躊躇いを見せたかと思えば
「サヤカ、」と
小さく呟いた。




珍しく、うるさくない声だった。




なに?と返事する代わりに
隣に座って首をかしげる。




「…大丈夫だったのか?」




すごく、心配そうな表情で。