普通間違えるか。




「てか、今の誰?」




「え?真白」




「…お前、それなら場所変えて電話に出ろよ。
こいついるだろ。」




そう言って真面目男子が
気怠げに親指であたしを指差した。




だからシャキッとしろっつの。




「…あ、そっか、そうだよな。
かけ直してくる。」




おさげ女子は、渡り廊下の端っこまで歩いて行ったが、
その途中で何もないのにつまづいていた。




もしかしてあの子…




「お前、俺らんこと助けてくれたの?」




助けて…あげたのか?
最終的にはそうなのかな。
何しろ体が勝手に動いたものだから。
でもまぁ、そうなるわけだよね。





かと言って
助けましたって素直に頷くのもなんか厚かましい気がするのはあたしだけだろうか。




曖昧に苦笑いすると、
真面目男子は不思議そうな表情を浮かべる。




「まぁ、さんきゅ。助かった。」




それには素直に頷いて返した。