龍也君と伊月の間に隠れて、
ほんの少しだけ、覗き見てみる。




怒り方になりながら、ガリ股でこっちへ背を向ける
身長の高い人影が1つに、
地面に伸されて呻き声を上げる人影が2つ。
夕日に包まれている。




た、猛…あんた、




「お前ら、サヤカをいじめやがったな!?」




そう怒声を上げながら、
なおもゲシゲシと、倒れている敵の背中を踏んづけている。




「な、なにもんだ!?あの男!」




「爽花ちゃんの…知り合い、みたいだけど…」




誰?と言いたげな表情で振り返る
龍也君と伊月。
そこに歩み寄ってきた猛。




「お前ら、"お・れ・の"サヤカを助けてくれたのか!
まぁ、礼を言ってやる。ありがとう。」




"俺の"が余計だよ。
そして何様だお前は。




「よし帰るぞサヤカ!」




え、ええ!?




と、慌てるあたしの腕を引く猛。




「さ、爽花さーん!?」




「爽花ちゃん?」