あたしは、
"もう帰るね。お邪魔しました。ありがとう。"と書いた紙を２人に見せて立ち上がった。




長居してしまった。




兄ちゃんたちが心配してるかもしれない、と
考えてすぐにハッとした。




「えーもう帰るんすか？」




いつもはもっと早く帰ってるはずのあたし。
しかし今日は伊月の家に長居してしまった。




「ん？おーい？爽花ちゃん？」




なのにメールは一切なし。
受信音が鳴っていない。




「爽花さーん？」




あぁ見えて、みんな心配性。
ちょっと帰ってくるのが遅いだけで
いつもメールしてきてた。




でも今日は…




「どうした？爽花ちゃん？」




あたしに呼びかける声はとりあえず置いといて、
恐る恐る、カバンに手を突っ込んで
携帯を取り出す。




ピカピカと、受信を知らせるライトが
設定した青色に光っていた。




…メールが、来ている。




パカっと開けば、
目に付いたのは
マナーモードのマークと、
恐ろしい数のメール受信数。