下駄箱の上にも
大きめのスヌーピーのぬいぐるみ。




ポケットからはみ出しているのも
スヌーピーのキーホルダー。




賀川君、スヌーピー好きなのか?




遠慮なく、そのスヌーピーのスリッパを履いて
安西君と一緒に賀川君の後につづく。




「あ、先俺の部屋行っといてください!
おいタツ!この方を俺の部屋へご案内するんだ!」




「…あぁ、うん。」




何か言いたげな安西君。




それでも何も言わずにあたしに目配せすると、階段をのぼり始めた。




その後ろをついて、
階段をのぼってすぐの部屋へ入ると。




「ワン!」




扉を開けた瞬間、目の前に座っていたのは
あの犬。
白い、でかい、定春という犬だった。




「あ、定春、ここにいたのか。」




安西君が、定春の頭を撫でると、
定春は嬉しそうに目を細めて、それから、




「ワンワンワンー!」




安西君の周りを1周駆け回って、
その勢いのままあたしに飛びかかってきた。